2011年忘年会~中年画家の黄昏


先週の土曜は毎年恒例の美大仲間での忘年会でした。

20年前くらいから3~4人が集まってダラダラ飲んでいたのが、
ここ5年くらいはなぜか人数が増えて、昨年一昨年は20人あまり。
今年は震災の影響か、最近では少なめの15人ほどが集まりました。

集まると昔話に花が咲くのは年を食った証拠ですが、
最近はメンバーも定着してマンネリ化しているため、あまり学生時代の話にはなりません。
そのかわり、ここ5年10年で飲んだ時の失敗談などを、お互いクドクド繰り返す体たらくです。

この日も二次会で、たまたま隣にすわったのが、永遠の独身・法廷画家の好古くん(仮名)で、
7年ほど前にあったお見合いパーティーの恨み辛みをグチりはじめました。
(この時私は既婚でしたが、行きがかり上で企画したパーティーでした)。

「小暮さん、ひどいよ。
 オレのこと当て馬にしてさ。
 若い子は若い子で集めて、オレなんかおばさん軍団の方に追いやられてさ」

「好古~!
 お前という男は、いよいよ頼りにならんカスじゃのう(なぜか広島弁)。
 昔の合戦でも殿(しんがり)は、もっとも危険ながら、
 もっとも信頼できる者のみに許される任務というだろ。
 お前が年長者だからこそ、あえて殿を任せたというのに、己の任務もロクにはたせずおいて、
 今になって何を文句ばかりたれておるか」

「なんで戦の殿がお見合いパーティーに関係あるんだよ。
 第一、そんな役割、引き受けたおぼえないよ。
 オレ、若い子の集まる行きたかったのにさ~」

「行きたかったなら、自分で行く機会はいくらでもあったろう。
 お前という男はどうして、
 ”わたくしのような馬齢を重ねた不束者に、このような機会をお与えくださり、
 ありがとうございました”、という一言がなぜ言えん。
 独り者のおぬしを不憫と思い、誘ってやったのを感謝するどころか、
 ”若い子を紹介してくれなかった”との恨み言は、ぶざまの一言!
 そもそも好古、自分の年を考えて選り好みできる立場か。
 第一、お前がおばさんと言う人たちは当時で30代後半、
 今の自分の年を考えれば、彼女たちを”おばさん”呼ばわりするのは余りに失礼であろう」

「そりゃそうだけどさ~。
 だけど、そもそも小暮さんが”男の人数が足りないから出てくれ”って
 頼んできたから、出てやったんだろ」

「あれ、そうだっけ?(汗)」

「そうだよ。
 けっきょく、オレ人数合わせのコマにされたってわけだし」

「うはははは!
 そりゃ、すまんかったの~(なぜか広島弁)」

まあ、確かに子供とお年寄にモテる好古くんは、
人数合わせに格好のキャラだったことはたしかです。
好古くん、利用させてもらってゴメンね。
と言いたいところですが、まあどっちもどっちの話かな。

若い頃は、年を食えばそれだけ立派になって落ち着くものだと思っていましたが、
年を取って立派になるような人間は、それなりに大したもの。
だんだん年と共に、人間ユルくなってダメになる部分が多いものですが、
それを実感したこの日でありました。

ま、反対にいくつになっても、進歩するところは進歩するものですが、
この忘年会は、毎年こんな話をして進歩するところがありません。
良いんだか、良くないんだか。

写真はヤマガタ・サンダンデロに飾られている「山形山水図屏風」の庄内日本海です。

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