山崎豊子〜「沈まぬ太陽」のモデル

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絵地図の裏面に使用した、初穂の美山かやぶきの風景です。 

山崎豊子氏死去。
米寿ということでしたが、何となくもう少し長生きしてくれそうな気もして、年に不足はないとはいえ残念なニュースでした。

この人の作品、わたしは長編はだいたい読んでいますが、どれも面白いですね。

作品の多くが映画化、ドラマ化されてますが、若い人は、この人が原作だと知らずにドラマの名前を覚えている人も多いのではないでしょうか。

山崎豊子は男性の嫉妬を書かせたら右に出る者がいない作家だったと思います。

多くの場合、男の嫉妬は社会的地位やヒエラルキーに由来することが多いのですが、それが医学会であるとか、商社、航空会社など、大きな組織になるほど、その軋轢は大きくなります。

ある意味、男の作家では書けなかったことが、この人には書けたのだと思います。

作品の本質にあまり関係ない話ですが、「沈まぬ太陽」の主人公、恩地元のモデルになった人に小倉寛太郎という人がいます(先に拙ブログでも近い話を書いたことがありますが)。

小説と同様、日本航空の労働組合長をしていた人で、たまたま私の親友の父上に小倉寛太郎の先輩(東大時代の)という人がいたのですが、とにかく頭は良い、弁は立つ。しかも長身の二枚目で(今でいうイケメンね)、同僚女性の人気もハンパではなかったそうです。

その友人の父上は、陸軍士官学校卒。
戦後、マルクス主義に走るものの、東大時代に共産党の宮本顕治と大げんかして、民政とやらを作った強者。
その後、早々経営者に鞍替えして、最終的には経営コンサルタントをしていたという方です。

さて、竹内力が銀行員時代、彼を見に近所の女性が預金をしにきたなんて話がありますが(今はやや劣化しましたが。そもそも竹内力の例が適切かどうか・・・)、たぶん小倉寛太郎氏もそんな感じだったのかな。

女性だけでなく、男性からの人気もあったそうですが、本人にとっても会社にとっても不幸だったのは、どこに行っても労働運動をはじめてしまうこと。

三越から日本航空に移った時、友人の父は小倉氏に「もう、お前。労働運動はやめろよ」とキツく念押しをしたそうですが、周りから神輿になったのか、本人の持ってる性なのか、結局「沈まぬ太陽」の恩地元のモデルになった人生を歩んでいったとか。

映画では渡辺謙が恩地元の役をやってますが、たぶんモデルになった本人もヒケを取らない男だったのでしょう。

山崎豊子先生が小倉寛太郎にどんなアプローチをしたのかは、わかりませんが、彼の魅力に巻き込まれたのだろうというのは、想像にかたくありません。

ただ、労働組合が6つもあったという、かつての日本航空。
組合だけが諸悪の根源ではないでしょうが、そのあたりは小説と現実の乖離があるかもしれません。

友人の父上曰く。
「あれほど能力があって魅力的な人物が労働組合にいると、会社がどうなるか」とおっしゃっていたそうです。

余計な山崎豊子談話で失礼いたしましたが、今度は未読の「運命の人」でも読んでみようかな。

山崎豊子〜「沈まぬ太陽」のモデル” への2件のコメント

  1. すでに88歳だったのですね。それなら仕方がないとは思う一方、本当に惜しい方を亡くしました。私としてはやっぱり「不毛地帯」かなあ。壮絶な話だし、軍人とか総合商社とか我が家にゆかりの歴史がよくわかったので。不思議なことに最近のものは読んでいません。なかなか読み始めるのに覚悟がいりますもんね。
    ところで男の嫉妬ってすごいんですね。私は山崎氏ほどの感性がもちろんのことないので、そのあたりはわかりません。でも夫(@自慢)に「おまえみたいな生意気なやつ男だったらとっくにつぶされてる」と言われたことがあります。そういうものなんですかね。女でよかったよ。痛風にもなりにくいみたいだし。
    またね。

  2. あ@花さん、おはようございます!

    不毛地帯は私も好きな作品です。
    唐沢直樹主演のドラマも面白かったけど、ただ視聴率はさほどでなかったようですね。昨今の日本人には重過ぎたのかもしれません。

    >でも夫(@自慢)に「おまえみたいな生意気なやつ男だったらとっくに>つぶされてる」と

    さすがは夫(@自慢)ですね。
    わたしもその通りだと思います。

    男の嫉妬は、上辺は仲良くしながら、陰で落とし穴掘るような陰湿なところがあります。それも、相手が歩くところを綿密に計算して、精巧な落とし穴を掘る。
    イヤですね〜。まあ、私はそんな目に遭ったことないけど(笑)。

    >痛風にもなりにくいみたいだし。

    おおきなおせわです!

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