五重塔と漢方&東洋医学


昨日のコメントに、「五重の塔は地・水・火・風・空の五大にかたどった・・」
という投稿がありましたので、今日はそのことについてちょっとお話いたします。

そう。五重塔は中国から来た、陰陽五行説に基づいたものだったのですね。
陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)は万物を陰と陽、
そして5つのエレメントに分けて考える思想です。
もちろんこの考え方は万能ではありませんが、
漢方や東洋医学を考えると、理にかなった考え方であります。
インドの古代医学アーユルヴェーダなども、この流れを組むものです。

陰陽五行では、色も赤・青・黄・白・黒の五色(ごしき)に分けます。
色はそれぞれ方角や味覚、人体の部位などに当てはめられます。
それは以下の通り。

・東は”青”で、青龍という聖獣が方位を守ります。人生の季節は青春。
・南は”赤”で、朱雀(すざく)。人生の季節は朱夏(しゅか)。
・西は”白”で、白虎。人生の季節は白秋
・北は”黒”で、玄武(亀の体にヘビの頭を持つ)。人生の季節は玄冬。
・中心は”黄”で、これが中国皇帝の色になります。

色に厳格な決まりはなく、青が緑であっても、黒が紫であってもかまいません。
この五行に乗っ取って、食べ物のメニューを組み立てると、
見た目はもちろんですが、栄養バランスもすこぶる良いものができます。
たとえば白いご飯に、青菜。赤いマグロの刺し身。黄色いカボチャの煮付け。
それに黒いワカメを入れた味噌汁。
ああ、完璧な定食の完成ではないですか!

たとえば西洋医学を見ると、人体でも薬でもあまりに細分化、分業化されていて
木を見て森を見ずに陥りやすいのですが、
漢方やアーユルヴェーダでは、その人の健康はもちろん、
住んでいる環境や毎日の食事なども含めた療法を行います。
生活を含めてトータルに健康管理ができるよう出来るのですね。

生物に色がついてるのには理由があって、
たとえば葉っぱが緑から赤に変化するのも、
ごく少ないエネルギーで済むからだといいます。

つまりは、食べ物の色にはそれぞれ意味があるということですね。
(食材はすべて生き物から作られる)。
陰陽五行説の五色について詳しくは、拙著「堪能故宮」をご参照くださいませ。

写真はアル・ケッチァーノ近くにある鶴岡の直売場あぐりの定食です。
刺し身定食と海鮮丼。これまたびっくりするほど美味しいです。

五重塔と漢方&東洋医学” への5件のコメント

  1. 陰陽五行
    色にも分けられるんですね。だから 春にお寺にあのカラフルな幕が。お釈迦様が誕生された頃なのでしょうか。私はお寺の幼稚園に行ってまして、遠い記憶では 花祭りに甘茶を飲んで…等の行事がありました。以前テレビで見た、チベットの修業僧達がマンダラを描くのもこの五色にもとずいて 描かれていたのでしょうか…。点が繋がってきた感じです。
    私が見てきた色は陰陽五行から始まってたんだ。仏教徒なのに なんにも知らないですね。
    五色で食事を考えれば ほんとに シンプルにバランスがとれてますね。で 昔ながらの日本人の献立そのもの。
    西洋医学どっぷりな仕事に従事していますが、漢方薬の奥の深さには長男が生まれてから 感じてました。体に入る物であらゆる変化がおきても 全然不思議じゃないですね。体は全部繋がってますもん。自然も宇宙も…

  2. 余談ながら
    少し違って解釈されてますので、訂正をしておきます。
    陰陽五行説は中国で生まれた思想なので、仏教とは直接関係はありません。
    一説によれば発祥はペルシャで、西洋の四元素(風、火、水、土)やインドのアーユルヴェーダも、ルーツは同じかもしれませんが、もともとの仏教にはないものです。

    ただ、チベット仏教はこれに似た思想はあるかもしれません。
    バリ島の幔幕も同じ五色を使っていますからね。

    日本では正月や落慶法要などに、この五色の幔幕を使います。
    また歌舞伎では、「連獅子」や「勧進帳」など、狂言を元にした劇にはバックに五色の幔幕を使う監修があります。
    余談ながら。

  3. チベット仏教と
    バリヒンドゥーは別物です。

    まあ、あまり細かいことは気にせず、五色のお弁当でも作ってみては如何でしょう。

  4. 弁当作ります
    何事も にわか仕込みで理解しようとしてはいけませんね。奥が深い。
    なので 五色弁当作ることから始めます

  5. 五色弁当の良いところは
    何より、五色弁当の良いところは、
    栄養バランスもさることながら、
    食べる方も作る方も楽しいことです。

    無理のない範囲でお試しくださいませ

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