「死刑は国家による殺人」か?


先日書いた死刑は野蛮か?のコメントに、ある国会議員が
「中国に抗議できなかったのは日本にも死刑があるからだ。
これを機に日本の死刑の存廃議論を」
と発言したという意見がありましたので、続きを書きます。

以前、光市母子殺人の遺族がテレビに出ていた時、死刑廃止論者の弁護士が
「キミは犯人が死刑になって、それで満足なのか?」
と質問していたのを覚えています。

遺族の人は、はじめ質問の意味がわからない、と戸惑った表情をしてから、
怒り狂ったように「満足です!」と答えていました。
(ほとんど、この質問こそ暴力ですね)。

犯人の元少年は反省するどころか、
遺族を愚弄する内容の手紙を友人に書き、毎日が「ヒマヒマヒマ」と綴っていたようです。
その友人はさすがに、これはひどいと思ったのでしょう。
手紙を証拠として法廷に提出したわけです。

それにしても、こうした人間を世間に戻して良いものか。
(それに加え、少年法や心神耗弱を理由に無罪を主張できるのも疑問なんですが)。

以前、女子高生をコンクリート漬けにして殺した元少年は、
出所したあと30代半ばになって、恐喝事件を犯したといいます。
「オレは人、ひとり殺してるんだ」と凄んだという。

死刑の次に重い、無期懲役では世間に戻れる機会も与えられるわけで、
死刑廃止論を唱えるなら、
少なくとも永遠に檻から出さない終身刑を最初に言うべきでしょう。
(私個人は終身刑では、死刑の代替えにはならないという考えですが)。

「死刑は国家による殺人」と言えば、如何にも聞こえは良いが、
ならば実際に巷で起こる「本物の殺人」に
国が然るべきペナルティを与えず良いものか。

もちろん菅谷さんのような冤罪で17年服役した人もいます。
それはおそろしいことだ。
しかし、冤罪と死刑廃止の議論というのは、実は別の問題のように思える。
冤罪は死刑に相当する罪でなくともありえるからです。
まず、”どうすれば冤罪がなくなるか”が先であって、
間違いかもしれないから「廃止しましょう」では、何のための法律なのかわからない。

写真は山形イタリアン、アル・ケッチァーノの岩ガキのモロヘイヤソース。
平和な味。もう少ししたら登場です。

「死刑は国家による殺人」か?” への6件のコメント

  1. Unknown
    賛成の一票です。
    私はヘタレなので、自分のブログではこういうポリティカルな話題は書けないのですが、本当にそうですよね。

    「目には目を」って、巷では野蛮で残虐な古い考え方のように思われてますが、私の理解だと、あれは「過剰報復はダメよ」っていう戒めなんですよね。
    「an eye for an eye」、つまり、目を一つ潰されたら、仕返しに潰して良いのは相手の目を一つだけ。
    片眼を潰されただけなのに相手の両眼を潰しちゃイカンぞ、と。
    同じように、家族を一人殺されたら、報復してもいいのは犯人ひとりだけ。
    一族郎党皆殺しにしてはいけませんよ、と。

    そういう戒めがなかったら、怒りにまかせて過剰に報復するのが人間の本質だと思うのです。
    なので、殺人犯を死刑にするのはフェアなことである、と私も思います。
    ついでに言うと、飲酒運転で死亡事故をおこした場合も、殺人と同じ扱いでいいんじゃないかな、と思う。

  2. 仇討ち
    人の命は地球より重い、と言った首相はオタメゴカシの人です。
    予定調和の魁で自然の摂理を忘れた人でした。
    アッシは、人(に限らず)命は屁よりも軽いと思います。
    (しまった、氏素性が卑しいとバレバレな比喩だな。)
    「仇討ち」実に素晴らしいシステムだったと思います。
    (また、しまった、野蛮人だとばれました。)
    アニマルに神が与えたもうたるソフトです。
    国会に提案しても、誰もが反対するんでしょうから、
    安心して発言できます。
    (こういう奴をヘタレ(屁垂れ?)って言います。)
    仇討ち、しない、選択の自由も有る訳です。
    人殺しを選んだ場合は、公的資金を補助する、
    ってのは、悪い冗談ですかねえ???
    但し、いずれにしろ、事の厳重なる精査を経てからです。

    「時効」が無くなりそうですが、反対です。
    無理です。
    確固たる証拠が在って、
    犯人が間違いなく特定出来ていて、
    逃走し続けている場合は、平均寿命プラス5年位までは、
    追跡を続けても良いのかも知れませんが、
    推定無罪の原則に従えば、時効は有ります。
    証拠を捏造されて、或いは誤認されて、
    アッシが80歳で訴訟を起こされたら、
    自分が無実だと証明するのは、不可能です。
    殺ってないんだから、その時の記憶なんか、
    残っていませんからね。
    無実を証言してくれる大人(?)も、もう死に果ててますし。

    突然結論、
    アッシは、
    死刑賛成、
    無時効反対です。

    アー、心臓バクバクです。
    今夜は安眠出来るかなあ???

  3. 目には目を
    おはようございます、zoomaniaさん。

    そーですね。どうしても人間、過剰に報復しますからね。
    私が聞いた「目には目を」というのは、反対の意味で、
    自分が相手の目を潰した場合は、自分の目を潰さないといけないという意味でしたが、おそらくは「目1コにつき、復讐は1コ」という意味もあるに違いありません。
    激しい砂漠の民にはぴったりの戒めです。

    人間の感情の中で、もっとも激しいものが復讐でしょう。
    「人の命が地球より重いから、復讐はダメよ」なんて言っても、家族を殺された人には何の説得力もありません。

    それから、あー飲酒運転の死亡事故。
    これは立派な殺人ですね。
    わざと酒を飲んで相手をひき殺したら事故扱い?
    まー、すぐに怨恨とわかり、殺人罪に切り替わりそうですが。
    罪状は「殺人」にしないまでも、刑罰は同じ重さを課して然るべきだと思います。

  4. 命の軽さ
    お頭さん、おはようございます。

    先日、立教大学の学生が14年前に池袋の駅で殺された事件、来年で時効だそうですが、父親は時効の延長を望んでいないみたいですね。
    犯人は捕まえたいみたいですが。

    まあ、時効を伸ばせば、犯人が捕まるというものでもありませんが、ただ15年で殺人罪が適用されなくなるというのは、如何にも短い。
    じゃあ30年にするのか、40年にするのかって議論になると、それも決められないんで、無期限延長ってことになるんでしょうな。

    個人的な意見を言えば、時効の悪用はありえるものの、現段階の「時効15年」よりは「無時効」を私は選びたいと思います。

    それにしても、何かあると「命の重さ」を説くのはしらじらしいですな。
    人間なんて(他の生き物も同じ)銃弾1発で簡単に死ぬんですから、「命の軽さ」を説いた方がよほど現実的だと思います。
    簡単に人は死ぬ。だからこそ命は大切にせんといかん。

  5. 大御意(?)
    冬の朝ですね、マスオさん、早起きですね、
    おはようございます。

    >簡単に人は死ぬ。だからこそ命は大切にせんといかん。

    このお言葉に尽きます。
    ここから森羅万象を始めんと!?

  6. 朝方人間なんです
    お頭さん、大御意恐縮です。

    人間、簡単に死ねないけど、死ぬ時は簡単に死にますよね。
    タイで亡くなった村本さんを見て、そんなことを思いました。

    ではでは!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>