ぼく、アスペルガーかもしれない。


この本は花風社さんから先日出たばかりの新刊本です。
カバー絵と中のイラストは、もちろん私が担当しました。
途中経過はこのブログでも何度か紹介しましたが、
著者は何と北海道に住む8歳の男の子、中田大地くんです。
この子はタイトルの通り、アスペルガー症候群の疑いがあります。
アスペルガー症候群とは自閉症の一種で(ホントは分けて扱われることが多いのですが)
知的障害の少ない発達障害です。
たとえば「ごはん食べに行きましょうか」と聞かれると、
「おかずはどうするんですか?」と答えるような、
いわば想像力の障害と言ってよいかもしれません。

当然ながらアスペルガーの人たちは、
社会で人とコミュニケーションをうまくとることができません。
(また本当にアスペルガーかどうかは、キチンとした診断を受けないとわからない)。
また複数の行動を同時にこなすことも、アスペルガーの人たちにとっては難しい。
人によっては、手と足を交互に動かすことも考えながらやらないとできないほどです。

大地くんは、そんな日常生活のマニュアルを「僕の取扱説明書」としてまとめました。
(もちろん両親の手伝いもあってのことですが)。
それが花風社さんの社長の眼鏡にかない、発刊のはこびとなったわけですね。

でも本当に立派なのは本を出した大地くんではなく、彼のご両親でしょうね。
お母さんは、大地くんを障害があるといって甘やかすのではなく、
普通にご飯が食べられるように、普通の生活ができるように
厳しいところは厳しく育てています。
また「本を出してもえらくない」と息子に言い聞かせているところも立派です。
この本はたいへん好評のようで、花風社さんの講演先でも完売が続いているのですが、
大地くんが「え? どのくらい売れたの?」と聞いたところ、
お父さんは激怒して、こう言ったそうです。
「なんだ、お前のその言い草は!
 どのくらい売れたじゃなくて、本を出していただいてありがとうございます、だろ」
いや~、モンスターペアレントがはびこる中、
このような立派な親御さんがいるなんて、わが国もまだ捨てたものじゃありません。

でも、普通の大人だって本の1冊も出せば、舞い上がってしまい
自分は特別だなんて思いかねないところです。
ましてや8歳の男の子だったら、まわりが言わなかったら推して知るべしです。
それでダメになる子どもや若者がどれだけ多いことか・・・。
大地くんのご両親も、花風社の社長さんも、
それを心配して特別あつかいしないのですから、立派です。

今回、この仕事は個展の開催と完全にかぶってしまいましたが、
おかげで、かえって筆のノリは良かったようです。
個人的にはすごく気に入った絵が描けました。
ぜひご一読のほど!

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