個展のテーマ~果物籠いっぱいの幸せ


ブログには、自分の仕事や生活にあったことを世間に発信する役割がありますが、
それだけでなく、たとえば2009年のこの頃はいったい自分が何をしていたのか、
何を考えていたのか、自分のために記録として残しておく意味もあります。
今週はすべて海南島&広州レポートだったので、
普段の生活にあったことが書けませんでしたので、
今日はこの週にあったこと、考えたことを書いておきます。

今週はイラストや個展の制作だけでなく、人に会うことの多い週でした。
出版社さんの担当と会ってお土産を渡したり、企画の話をしたり、
画廊の担当者と食事をしたりと忙しい週でした。
(あ、これ自分のための記録ね。読者のみなさんにはあまり関係ありませんな)。

そんな中、画廊の人から案内状に入れる個展のタイトルを決めてくれと言われたのですが、
なぜか思いつきで「幸福」という言葉が、口から出てしまいました。
もっとも正直言って、今の私はそんな幸せでもありません(まあ、すごく不幸でもないけれど)。
世間の例にもれず不況で収入は大幅に減ったし、思うように売れてるわけでもないし、
折り返し地点をとっくに過ぎた自分の人生をかえりみて、後悔することもいっぱい、
なんて、これでもウジウジと色々考えることが多い日々です。
でも、その方がかえって幸福というものが表現できるような気がします。
それもあまり大仰な幸せではなく、ささやかというか、ケチな幸せというか、
そんなものを絵画の中で表現できればいいな、ということですね。

最近、私は仕事をしながらベートーベンの後期弦楽四重奏を聴いているのですが、
これが実に不思議な幸福感を持っているのです。
曲想は決して明るくないし、「第五交響曲」や「英雄」のような
明確にビルドアップされた音楽でもない。
若い頃のベートーベンと違って、音楽がゆらゆら、あちらに行ったりこちらに揺れたり、
たまに立ち止まったりと、曲がとっても複雑な動きをするのです。
岐路も見えない、未来も読めない。
過去を振り返って、本当にこれで良かったのかもわからない。
そんな人生の複雑さ、過去も先も読めない様子が、なぜか音楽からうかがえる。
なのに、そこには何かを超越した奇妙な幸福感に溢れているのです。

まあ私ごときがベートーベンでもありませんが、
そんな意味で、今回の展覧会のテーマは「果物籠いっぱいの幸せ」、
あるいは「フルーツバスケットいっぱいの幸せ」としました。
どちらも同じ意味ですが、そんな言葉にしようと思ってます。
ネタバレですが、これはピンク・フロイド初期のアルバム「神秘」の原題、
A Saucerful Of Secretsによるもの。
みなさまは果物籠とフルーツバスケット、どちらが良いと思いますか。

写真は昨日、お土産を渡す時に食べた実家での昼食。
家族で食べる食事は美味しいものですが、見ると青みが足りませんな。

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