古今亭志ん生の「御家安」


先日、友人のクルマに乗った時、たまたま勧められて借りた古今亭志ん生師匠のCD。最近、気に入ってしまい、個展のための作品を描きながら聞いている。「落語を聞きながら絵なんか描けるのか」なんて言われそうだが、どうやら使っている脳の部分が違うらしく、細部を仕上げる作業でなければ、まったく問題なし。かのリューベンスも詩の朗読を聞きながら制作したというから、音楽とは違った相性があるのかもしれない。
この志ん生という人物、以前に亡くなられた志ん朝師匠のお父さんで、その世界では伝説の人物だ。朝起きると、どんぶり一杯分のなめくじが取れるという「なめくじ長屋」に住み、新婚4日目で吉原に行ったという、典型的な昔の芸人で、その芸風も豪放磊落。高座で酔っぱらって寝てしまい、あわてた裏方が起こしに行ったところ、客席から「いいから、寝かしておいてやんなよ」と言われた逸話の持ち主だ。いやはや、昔はお客さんもおおらかだったんですね~。
で、この人の噺を久々に聞いたんだが、いやはや鬼気迫るという噺はまさにこのこと。「御家安」の御家とは御家安、すなわち武士のことだが、希代の博打好きから御家人株を売ってしまった男の噺なんだが・・・最初は笑っているのが、次第に背筋が寒くなる殺気にも似た感触を覚えてくる。昔の芸人の凄さを肌で感じた次第でした。こんな人、もう出ないでしょうな~。

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