三連休の最終日は上野科学博物館で開催中の『昆虫MANIAC』展に行ってきました。
いや〜、すごい展覧会でしたね〜!
会場はすべて、ムシ、ムシ、ムシでいっぱい。
メタメリックカラーの美しいモルフォ蝶や甲虫類から、誰もが忌み嫌うGキブリやムカデなど、ありとあらゆる虫たちが会場全体に溢れておりました。
連休最終日の敬老の日とあって、三代一緒の子供連れのお客さんもいっぱいおりました。
実はわたくし…小学校までは大のムシ好き。
学校でカイコやアゲハの幼虫を飼っていたこともあって、図鑑とにらめっこしながら、昆虫の名前を覚えた記憶があります。
物理学者だった父は、私に昆虫学者にでもなってほしかったのでしょうか。
中学に入って、まったくムシに関心を抱かなくなった私に、「お前は根気がなく、何をやっても長続きせん。昆虫の勉強も続けていれば よかったのに」といったことを言うておりました。
そんな意味で、この昆虫展は童心を思い起こさせる展覧会。
虫の顔とにらめっこしながら、「なんて話の通じなさそうなヤツらなんだ」と思いながら展示を眺めておりました。
大の虫好きで、自らのペンネームに「虫」の1文字を入れた手塚治虫先生は、名作「ブッダ」の中でこんなことを書いています。
牛や馬など、動物の心の中に入っていける超能力の少年タッタ(だっけ?)が、「虫だけは心の中に 入っていけないんだ。心の仕組みが違うんだよ」というのです。
いやはや、確かにこのバッタやセミの顔をご覧くださいませ。
撫でられて喜ぶ哺乳類や爬虫類の顔とはまったく心の仕組みが違う生き物だとわかるでしょう。
中でもインパクト大ちゃんだったのが、寄生虫です。
ハチの仲間は寄生生物が多いようですが、芋虫の体を食い破って出てくるハチの幼虫は、思わず全身の毛が逆立ちますね。
エイリアンなどの原型は、こんなところにあるんだと思いました。
さて、感激したのはあのファーブル昆虫記に出てくるフンコロガシです。
子供の頃、洋ナシの形をした幼虫の巣を見て、一度本物を見てみたいと思いつつ、半世紀経った今見た標本がこれ!
洋ナシのサイズと思い込んでいた私ですが、親指大ほどの大きさにびっくり。
さて、最後に面白かったのは、監修に関わった先生たちのコメントです。
昆虫の専門家なのに、けっこう苦手なムシが多く「蝶や蛾は、成虫も幼虫もダメ」とかいうコメントにびっくり。
また、「家の中でGキブリを見つけたらどうしますか?」という質問には、例外なく「コ⚪︎す」という答えが返ってきたのは安心しました。
先生方はみな、殺虫剤で確実に仕留める方法をとっていたのですが、一人だけ「新聞紙で叩きつぶす」だったので、誰だか見てみたら、アンガールスの山根さんでした。
いやいや、実はGを見つけたら叩き潰したり、掃除機で吸ってはいけないそうです。
バラバラになった時、良からぬ菌が広がるからだそうです。
まあ、生き物はなるべく殺してはいけないと思いますが、放っておくと増えて住環境が悪くなる生き物は仕方ありません。
高野山の碑ように「シロアリ、安らかに眠れ」というところでしょうか。