「アンタ、絵を描いてるんだって?」〜いやいや、仕事ですから(と、心の声)♪

昨日のこと。
ジムのプールで最近挨拶を交わした70代中盤くらいの男性から声をかけられました。

「アンタ、絵を描いてるんだって?」

藪からスティックのご挨拶に、やや躊躇です。

画業に関わりはじめて40数年ほどになりますが、この「絵を描いてるんですか?」という問いかけ…実は微妙な気持ちになる挨拶です。

最近でこそ「絵を描くとは良いシュミだね」とは言われなくなくなりましたが、 「絵を描いてるんだって?」という問いかけは久しぶりでした。
たぶん、これを読んだ絵描き仲間で同じ経験してる人も多いと思いますが(笑)。

いや、絵を描くのは…仕事(と、ゴルゴ13風に)なんですけど。

そうそう、知り合いの中華の料理人でよく世間に知られた方がいて、その人は自分の職業を紹介する時に「鍋振ってます」とおっしゃいます。でも、こちらから「アンタ、鍋振ってるんだって?」とは言わないですよね。

目くじら立てて言うほどのことではないので、「はあ、まあ…」と応えましたが、さらにその方は続けます。

「オレなんか絵に興味ないからわかんないけど、展覧会とかやるの?」

「ええ、11月に個展を」

「オレの知り合いにも絵を描いてるのがいるんだけど、5人くらいでなんかやってるよ。もう八十にもなるやつだけど、でっかい絵の整理が大変だって言ってたよ」

なるほど、終活というやつですか。
ほんとに絵にご興味がないんですね。お話聞いてるとよくわかります。

「で、その絵を処分するんでゴミ屋に出すらしいんだけど、釘を抜いたりしなきゃいけなくて大変なんだって言ってたよ 」

ははあ、ゴミ屋とはしばらくぶりに聞く言葉ですね。
それにキャンバスを貼る釘はタックスと呼ぶんですが、 まあ「釘」で通じますから、それで結構かと。

飲食で客商売してる方なんか、こういう経験多いんだろうな。まだ「微妙な気持ちになる」程度なんて、マシな方なんでしょうけど、ちょっと感じたことを記事にしました。

職業に貴賎…ないことはないのでしょうけど、誇りを持って仕事についてる人には敬意を持ちたいなと感じた次第です。

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