「リチャード・ジュエル」見て来ました。
1996年のアトランタ・オリンピックのテロは鮮明に覚えています。リチャード・ジュエルの存在も冤罪についてもあまり記憶はなかったのですが、まだ2001年の9.11の前でしたから、こんなひどい冤罪があったのですね。
そう、確かにすぐに容疑者が見つかり、そのうち冤罪だったと報道があったような覚えはありましたが、その裏側にこんな事実があったとは驚きです。
冤罪をかけられる警備員リチャード・ジュエルを演じるのは、ポール・ウォルター・ハウザー。実際の母親からもそっくりとお墨付きをもらったそうですが、いや〜、差別はイカンと言いながら、アメリカ社会はひどい差別社会だと思いました。
リチャード・ジュエルは白人なので、人種差別というわけではありませんが、低所得層の白人に対する差別というのかな。当時のリチャード・ジュエルは33歳(に見えないだろ!)。その年齢で独立しないで親と一緒に暮らしてる男性はクズ扱いだそうです。
しかもデブのオタクということで(失礼!)、冤罪をかけられた時のインパクトは大。犯人確定みたいなイメージにされてしまったわけですね。
御年90歳になるというイーストウッド監督ですが、いつもながら集まった役者が素晴らしい。
元からイーストウッドはほとんど1テイクで撮影を済ませてしまうそうですが、役者も監督の年齢を慮ってか、最高の演技を一発撮りでさせようという意気込みが感じられます。
今回の作品も監督に対する尊敬の気持ちが、あらたに芽生えてくる素晴らしいものでした。あと何本見られるか、わかりませんが期待したいと思っています。
比べるのはおこがましいですが、今年も私は御年87歳になろうという母と展覧会を行う予定です。この作品を見て、その気持ちが新たに確認できました。