庄内から戻った翌日の水曜、友だちからチケットがあるということで、「BABEL展」を見に行きました。
BABELとはもちろん、かの有名なブリューゲルによるババルの塔で、周知のようにこれには2点あり、1つはウィーンの美術史美術館にあり、もう1つが今回公開されたオランダ・ロッテルダムのボイマンス美術館にある作品です(本当は3点あるそうですが、現存するのはこの2点)。
ウィーンのものは塔を建てようとするニムロデ王の姿が描かれていて、空が明るいのですが、今回のロッテルダムのものは、王がおらず、空には暗雲が立ちこめているのが特徴です。
バベル以外に展示されていたのは、ブリューゲルの先輩に当たるヒエロニスム・ボスの油彩2点と、その周辺の画家+銅版画で、これも大変な見ものです。
ボス(ボッシュ)の真筆はフェルメール並に少なく、それが2点も来るなんて、なかなかない話です。
またブリューゲル、ボスの銅版画(彫り師などは別人)も圧巻で、写真や印刷技術の発達してなかった時代には、こうした銅版画のコピーで絵を楽しんだのでしょう。
さて、目玉の「バベルの塔」はどうかといえば、よく言われるように意外に小さな絵であります。ブリューゲルの他の作品もそうなのですが、思ったより小ぶりの画面にびっしり描き込まれていて、しかもたった今描き上がったようなフレッシュな色合いに驚かされます。
ただ、細かく描かれ過ぎていて、少し離れると何が描いてあるかわからないのが難点・・・でも、企画サイドはそこをよく考えて展示してますね。
何十倍にも拡大した写真を、バベルの絵と同じ曲線の壁に貼付けていたり、300倍の模写や、CGなどを駆使した7分ほどの動画を展示していて、これが実にわかりやすい。
ブリューゲルがこの絵を描く前にローマに旅行していて、コロッセオをモデルにして描いたのではないかという展示もされていて、ここは新発見で実に興味深いところでした。
「BABEL展」、見せてくれます! 一見の価値アリ!