昨日は「ミケランジェロ展」をパナソニック汐留ミュージアムに見に行きました。
ミケランジェロと聞けば、言わずと知れたルネサンスの巨匠ですが、その彫刻作品やシスティナ礼拝堂の壁画などは現地に行かないと見ることはできないものがほとんどです。
今回の展覧会はミケランジェロの素描、それも建築を中心にした、いわば設計図を中心に展示がなされておりました。
ローマ、バチカンのサン・ピエトロ寺院やカンピドリオ広場などがミケランジェロの設計ということは知っていましたが、思いの外、建築の仕事に携わっていたのにびっくり。
もしかすると、彫刻や礼拝堂の仕事に費やしていた時間より、ミケランジェロの生涯を通じて建築に費やして時間が一番長いのではないか、と思えるほどでした。
20代でピエタとダビデを完成して、広く世に知られるようになったミケランジェロですが、年譜を見ると30代以降からはほぼ間断なく、建築の仕事に従事しています。
色々、建築家を変えてすったもんだしてきたサン・ピエトロ寺院の設計を、最終的に任されたのが70歳を過ぎたミケランジェロ。
その建築設計図や彫刻に使う大理石の発注書なども展示されていましたが、意外なほど几帳面なのにびっくり。
また、ミケランジェロが直接書いた手紙なども展示されていましたが、石工たちに対する卑屈なまでのへりくだり方も意外でした。システィナ礼拝堂の制作では、使えない助手のクビをあっさり切っていたのとは対照的です。
知られざるミケランジェロの一面、それも意外に生涯最大の労力を費やしていた建築という分野の側面を見るのには、実に興味深い展覧会でした。