そうめん離婚の顛末


昨日、プライドの話をしましたが、
若い頃の私は、同じようにプライドのカタマリみたいな人間でした。

美術系の人間によくあるように、
自分が天才だと思ったことは不思議と一度もありませんが、
(ウソでしょと言われますが、本当です)
自分が何か大事を成せる、大物だ、横綱級だと、何の根拠もなく自惚れており・・・
今でもゴーマンですが、相当にヤな奴だったことは間違いありません。

それがいとも簡単に打ち砕かれたのは、最初の結婚・・・
あれは新婚旅行で能登を旅した、帰りの空港のことでしょうか(遠い目)。

些細なことでやや険悪な状態になっていたのを持ち直そうと、
無難に朝食の話題に切り替えたのですが・・・

「金沢の食事は旨かったけど、能登の朝飯はいまいちだったよね」

「そうね・・・。
 お吸い物も味付けがいまいちだったし」
 
「だいたい、お吸い物にそうめんが入ってる意味がわかんないよね」

「・・・?
 何言ってるの。
 お吸い物にそうめんなんて入ってなかったでしょ」

「そっちこそ、何言ってんだよ。
 しっかり、入ってたじゃん」

「入ってないわよ」

「入ってたよ!」

「入ってないわよ!」

お互いに引かない性格だった上、ケンカのあとということもあり、
お吸い物に”そうめん”が入っていたか、いなかったか、
どーでも良いことで侃々諤々になり、再び険悪な雰囲気に。

私も若かったので、そうめんが入っていてもいなくても、
相手の言うことに合わせていれば良かったのですが、
「それじゃ、旅館に確かめてみるよ!」と、空港の電話から
わざわざ能登の旅館に確認の電話をいたしました。

「もしもし、本日お世話になった小暮ですが・・・」

「はいはい、何でしょう?」

「昨日の朝食ですが、お吸い物にそうめん・・・入っていたでしょうか?」

「・・・はあ?」

妙な質問にいぶかる旅館でしたが、そこはサービス業です。
しばらくお待ちくださいと厨房に聞いたところ、
はたして「そうめん」はしっかり入っていたとのこと。

「どうだ、オレのいった通り、そうめんはちゃんと入っていただろう」
と鼻の穴を膨らましながら言うと、
「そんなに勝って嬉しいか」と怒髪天を衝くとばかり、激怒され、
勝っちゃいけないんだと、この時はじめて理解しましたが、もう後の祭り。

親しい友人の間では、「そうめん離婚」と呼ばれ、
あまりのレベルの低さで名高い一件ですが、わたくしも青かったものですなあ。

青年よ、謙虚であれ。

写真は山形産のアケビ。
皮は肉詰めにするとほろ苦く旨いです。
人生と一緒で、ほろ苦さもまた良し・・・なんてね♪

そうめん離婚の顛末” への19件のコメント

  1. 一言
    そんなにバカだったのか!

  2. 最近の課題
    プライド系の記事が多いのは最近の課題なんですかね~?

    かく言う私もなかなかのプライドが高い人間です
    でも自分ではよく分かってない
    そこら辺がプライドが高いに由来するのかも(笑

    なんにせよ、今の満寿雄さんは
    コミュニケーションの強者だと思っております。

    今度、アセナ本気会行きましょう(^-^)
    (結局食べ物か)

  3. も一度きたよ
    最近の画伯のブログ(綾小路さんとかのネタ)がよくわからないと思っていたんだけど
    よく考えたら私は男がプライドの高い生き物だなんて知らなかったぞ!

    きっとたくさん踏みにじってきたんだろうなあ。気づかないうちに。

  4. ワロタ
    だはは、若いですねぇ~
    かく言うワタクシも×イチ組なので偉そうなこと言えませんが(笑)
    女性に逆らったらあきませんよ~
    出産できるだけでアタシは尊敬してますし、男性は女性に産んでもらってるんで感謝せねば

  5. 一品少ない
    画伯こんばんは!
    今夜夕飯を食べているとき夫が帰宅しました。
    あとで暖め直すつもりでテーブルに並べていなかった煮豚。すっかり忘れていて、おひたしと具だくさんの豚汁とお漬物で食べてました。気がついた時は食事がほぼ終わり。
    けど私にも三男にもあるおかずが自分にはないこと全く気がついていない…。
    昔の旦那さまなら一品おおかっただろうに我が家は一品少ない…。何か変だとは思わなかったのか聞いてみたら、そんなもんかと思ったとのたまわれました…。
    「そんなもんか」とは 逆に私のプライドが…

  6. ほんまでっか
    でやっていたのですが、電車の中でマナーが悪い人に注意するか、しないかで離婚しやすいかどうかがわかるそうです。

    やはり・・・

  7. そうめんではなかったけれど、似たようなものです
    私のところも、初めての飛行機での夫婦二人旅から帰った空港で、どうでもいいことがきっかけの喧嘩がことの発端で、亀裂が・・・。

    それまで、男性のプライドを傷つけないように、イヤなことも一切言わずに、15年、穏やかに優しい仮面をかぶって、つきあってきた私ですが、長い春の後に、結婚した途端、少々、油断してしまいました。
    口では、女の方が達者なので、気をつけねばと常々思っていながら、なぜか、その時は、感情に任せて、自分の負の気持ちを相手にぶつけてしまいました。
    当然、男性は、応戦する「口」という武器を持っておらず、愕然としておりました。

    私のもとの旦那様は、アメリカ人で、私はネィティブでもないのに、第二外国語で、ネイティブの旦那さまを罵倒したことになります。^^;
    女の方が、言葉のセンスが良いのかもしれません。

    あの一件以来、私はかなりおりこうになりました。男のプライドは傷つけると、一生、取り返しがつかないのだ・・・と学んだのです。

    おもしろいのは、年齢の幼ない子供であっても、男の子のプライドを傷つけると、教えづらかったりするのです。いやぁ、性差って面白いものです。

  8. 能登では、Not !
    若気の至りですね。傷つけあう二人。シンガポール人か香港人の会話かと思いました。アイヤ~!人は失敗から学ぶものです。

    青年よ、謙虚であれ!
    壮年よ、健康であれ!
    そうめんよ、謙虚であれ!

  9. Unknown
    おはようございます。マスオさんは過去から今でもたぶんこれからもずっとプライドの高い男で行くと思いますよ。お付き合いしててわたしよくわかります。おでこに沢山の金平糖が並んでいます。

    とってもいいことではありませんか!

  10. 立派です。
    あ@花さん、おはようございます!

    >そんなにバカだったのか!

    し、失礼な!
    でもバカと呼ばれても仕方ないっすね(笑)。

    >きっとたくさん踏みにじってきたんだろうなあ。気づかないうちに。

    男はね、女性にプライド踏みにじられて成長するんですよ~(鼻膨らませ)。
    まあ、女は容赦しませんから、そのくらい当然でしょ。
    ちなみに私の父も、母が平気でポンポン言う人なのにびっくりしたそうです。

    まあ言われて傷つくプライドなんて大したことありません。
    ガンガン踏みにじってけっこうだと思います。

    ところあの猿烏賊軍団は、おそらくプライドを傷つけられたと思ってるのではないでしょうか。
    そう考えると辻褄の合うこともあるかと思います。

    まあ、向こうから攻めてきたんですから仕方ないでしょ。
    専守防衛でどんどん攻めてあげましょう(言わないでもやってるか)。

    >よく考えたら私は男がプライドの高い生き物だなんて知らなかったぞ!

    立派です。

  11. ブログに書けない話
    二夜さん、おはようございます!

    >今度、アセナ本気会行きましょう(^-^)
    >(結局食べ物か)

    ををを!
    珍しく食べ物以外の書きこみですね!
    大歓迎です、アセナ本気会もぜひ槍真正面!

    >プライド系の記事が多いのは最近の課題なんですかね~。

    実はブログに書けない友だち関連の話があるからです。
    さっさとプライドを捨てれば良いのに、
    つまらないことにこだわって、まわりに迷惑かけてるもので・・・。

    ここんとこ書いてる一連の記事は、
    そんなもの捨ててくださいというメッセージの意味もあるのですが・・・。

    ブログに書けない話は、やっぱり書けないのですが、
    今日はそんな話をまたアップしようと思います。

    私が考える真のプライドとは、「股夫」という蔑称で呼ばれながらも、
    軍師として漢帝国の建国に貢献した韓信のプライドですね。

    ごめんなさいを言えない狭量なプライドはいけませんわんわん。

  12. 逆らっちゃダメよ♪
    ひおきどん、おはようございます!

    そうそう、女の人に逆らってはいけませんね~。
    若いと、それがわからないことも多く、”和解”できない・・なんて、ウフッ♪

    ひおきどんとこの美人ちゃんは元気でしょうか。
    東京にお越しの際は、お声をかけてくださいませ。

    また会いましょう!

  13. めんどうがない
    いっちゃん、おはようございます!

    >何か変だとは思わなかったのか聞いてみたら、そんなもんかと思ったとのたまわれました…。

    おお、相変わらず淡々としたご主人ですな。
    思うにご主人、綾小路くんみたいなタイプから一番遠いタイプの方ですな。
    めんどくさくなくって、良いご主人だと思います。

    >「そんなもんか」とは 逆に私のプライドが…

    妙なこだわりがない人なんですね。
    自然体なんだと思いますので、お気になさらずにいた方がよろしいかと。

    面倒くさい人は大変でっせ、ホンマ。

  14. マナー
    Lilyさん、おはようございます!

    >電車の中でマナーが悪い人に注意するか、

    それはマナーを、マナーばねば・・なんて、ウフッ♪

    すみません、でも離婚しやすいかどうかって、
    そのどこで判断するわけですかね。

    番組見てないんでわかんないんですが・・・。
    ご教示いただければ幸いかと。

  15. 取り返し
    麻奈さん、おはようございます!

    うーん。むずかしいとこですね。

    寅さんじゃないけど、「それを言っちゃおしまいよ」ってことは黙っていた方が良いですが、
    その辺のさじ加減って難しいところですね。

    バック・トゥー・ザ・フューチャーで、マイケル・J・フォックス扮するマーティーが、
    「チキン」と呼ばれると必ずキレますが、
    人間ってそんな地雷が必ずあるものですよね。

    もしかして麻奈さんが言ったのは、米国人元亭主の地雷をチキンと踏んでしまった・・なんて、ウフッ♪

    >男のプライドは傷つけると、一生、取り返しがつかないのだ・・・と学んだのです。

    なるほど。
    でも私の意見は少し違います。

    そういったプライドは往々にして了見の狭いプライドなので、ホントはない方が良い。

    でも、それを捨て去るためには、
    誰かが(何かが)、一度それをことごとく打ち砕かれる荒療治が必要になってくる。

    男性の場合、その回復力が弱いため、一度傷つけられたら取り返しがつかないように見えるだけで、
    人によっては取り返しがつきます。

    まあ、取り返しがつくような人なら大したものではあるので、
    誰でもその荒療治が必要なわけではないのですが・・・。

    いや、意外と男も面倒くさいですね。

  16. コリアタウン
    naotさん、おはようございます!

    >シンガポール人か香港人の会話かと思いました。

    吹きました。
    赤坂のコリアタウンに行くと、よく男女が口論してますが、
    そんなもんですかね。

    見てると一方的に男性が攻め込まれてるケースが多く、
    時にボコボコにされてる韓国人男性も。

    うちの母などは「あそこまでやらなくて」なんて笑って見てますが。

  17. 金平糖?
    正ちゃん帽さん、おはようございます!

    小学校の頃、榎本太郎という音楽の先生がいて、
    体罰にバチでお尻を叩いたものです(すごく痛い)。

    洟をたらしてる子供の多かった時代なので、尻から埃が立ち上ることも多く、そのたびに
    「ホコリ高き男じゃ」。

    そーです。
    わたくしは正真正銘、ホコリ高き男なんですわ。

    >おでこに沢山の金平糖が並んでいます。

    え?
    よくわかりません。

    それどーゆー意味蟹?

  18. The race is not to the swift
    日本人は相手が激怒していると引くんですけど(周りにわかってみっともないと思う)、外国人はとことんやり合います。湯気が出そうなくらい真っ赤な顔して。そんな時「さすが肉食だな~?short temper」って思います。

  19. 湯気は”「ゆーげ”ん♪
    naotさん、おはようございます!

    あれ?
    相手が怒ると覚めてしまうって、日本人だけですか?

    そういえば海外ドラマでもあちらの人は凄いですよね。

    肉食だけに、食べてミート・・なんて、ウフッ♪

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