アートはいったい誰のもの?


先日、画廊との打ち合わせで
「どんな作品を出品したいですか?」と尋ねられました。
うーむ。
普段なら大抵の質問は即答するように努力しているのですが、
その質問、けっこう難しいです。

展覧会にも色々とあって、画家が画廊にお金を払って発表する場合と、
企画展として画廊が場所を提供してくれる場合があります。

前者の場合、1週間単位で開催されることが多く、
自分が思う通りの作品を描くことができます。
また、売れた分は作家がほぼ丸ごと収益として得ることができます。

画廊にお金を払う分、メリットもあるので有名な作家でも、
画廊を借りて発表することもあります。

一方、企画展というのは、画廊が発表の場所を提供してくれる代わり、
なるべく絵を売らないといけません。
でも、どんな絵を描けば売れるかって、そんなに単純ではありません。

花の絵や風景画が売れるかといえば、そういうものでもなく、
収集家によっては、ホラー系の絵やエロス系の絵を好む人もいて、
銀座の画廊などは、コアなコレクター向けに細分化されてます。
(ただ、今回はホテルのロビーギャラリーなので、あまり怖い絵やエロス系はNGですね)。

よく「何が売れるかわからない」という人がいますが、
通常の商売の場合、それは間違いです。
市場をよく分析して、キチンと計算しないと、
今のようにお客が細分化された時代、なかなか売り上げに結びつけることはできません。

でも、言い訳するわけじゃないけど、アートの世界はそれがなかなか難しい。
もともと、そんなに売れるものじゃないしね。
もちろん売るための工夫をして、芸術的価値が下るとは思いませんが、
意にそわぬことをして良いものはできません(何でも同じですが)。

なんて、ぐだぐだ考えてるうちに、担当者がリクエストしてくたのが、
昨日のシエスタおじさんにある、浮遊感のある世界です。

重力とは地球全体をもってしても、紙ヒコーキひとつ容易に抑えられない微弱な力。
そのため、未だに重力波という力が発見されておりません。
なんか売り物とはほど遠い、そんなテーマをモトに次回の展覧会をしたいと考えております。

画像はヤマガタ・サンダンデロに飾られている、山形六双図の「山寺蔵王」。
山形六双図はクライアントの要望に細かく応えた作品ですが、
自分にとっては、今までの中で最もすぐれたもののひとつと自負しています。
下世話ですが、依頼された仕事は気合いが入るということですね。

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