五百羅漢のキョーフ


昨日は久々の展覧会、江戸東京博物館で五百羅漢展を見てきました。

先日、両国の技量審査場所に行った時に看板を、はじめて見かけたのですが、
正直言って好みの画風でなかったので行きませんでした。
それがツイッターで激しく勧める方がいたので、見にいったというわけです。

うーん。
全100幅オール羅漢。
凄いけど、私にとってはイヤな絵だなあ。
でも、やっぱり凄いわ!

それが感想です。
ともかくも一見の価値はありました。

その凄さが話題になっているのか、平日の昼間にも関わらずけっこうな人出。
特にポスターにもなっている地獄絵は、みな立ち止まって見ています。
やっぱり地獄絵の表現って、絵師にとっては気合いが入るんだよね。

餓鬼道や地獄を描いた作品では、苦しむ餓鬼や亡者たちを淡々とした表情で眺める羅漢や、
亡者を叩くのを、仕事としてこなしている鬼の淡泊な表情が対照的で面白いです。

特に狩野一信(かのう・かずのぶ)は地獄絵の人なんでしょうね。
また、美しい女性やかわいい子供の絵より、ゴツい羅漢さんの顔を得意とした絵描きです。

一信がこの大作に関わっていた安政は、
ペリー来航にはじまり、大地震の頻発や大火、井伊大老による安政の大獄など、
どうも凄い時代だったようです。
まあ、昨年の龍馬伝にかぶる時代かな。

そういう時代背景もあるのでしょう。

実際に一信は五百羅漢の制作中に安政の大地震に遭遇したようで、
それを描いたものがありました。
悪夢を払拭するために絵を描いていたのか、
そんな凄まじい負のエネルギーが作品の中にあって、
館内のソファはぐったりしてる人でいっぱいでした。

大震災の後だからこそ、この展覧会は意味があるのかもしれません。

写真はミュージアムショップにあった羅漢新聞。
なかなか楽しく遊んでいますね。
五百羅漢、けっこうキャラクターになるのが面白かったです。

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