若貴と稀勢の里~黄昏と日の出


みなさん、おはよ大相撲です!

・・・て、もうお昼になっちゃたか。
連日の相撲談義で失礼いたします。

稀勢の里の大関昇進パーティーでちょっと思ったのは、
きせファンの中には、意外に若貴全盛時代には相撲を見てなかった、
なんて人が多かったことでしょうか。

思えばあれは、曙が先に横綱に昇進し、彼が若貴の敵役として人気が出た時代でした。
この時は貴闘力の二丁投げとか、舞の海の八艘飛びなど、
ほかの取り組みでも面白い一番はいっぱいあった時代ですが、
ファン層とすると、にわかファンの追っかけも多かった。

空前の相撲人気ではありましたが、
今の相撲人気の落ち込みは、実はこの時すでにはじまっていたと言えなくもありません。

相撲の世界というのは、日本画壇の世界にちょっと似ています。

画壇というのは、画家という生活手段がたいへん限られてる人たちを丸抱えして、
「会員」「会友」などといった称号を与えて、画廊などにはもちろん、
その地方の美術教師などに権威を持たせていくシステムです。

若い頃は嫌いだったこのシステムですが、多くの画家の生活力を考えると、
そんなに悪いシステムではありません。

日展とか院展、独立展などといった画壇は、
相撲でいえば鳴戸部屋とか、佐渡ケ嶽部屋、田子ノ浦部屋といった相撲部屋に当たります。
ただし、丸抱え度は相撲部屋のが遥かに上。

画壇の場合は権威を与える場所なので、画家の生活が安定し利権が生じると、
絶対権力は絶対腐敗するの言葉通り、必ず堕落します。

その点は相撲も同じだったんだろうと思います。

人気が出れば簡単にお金も入る、利権も生じる。
肝心の相撲は力士が大型化するにつれ、大味になり、
大関通しの千秋楽の相撲が互助会などと言われ、7勝7敗の力士は必ず勝ち越す。

とどめは昨年の八百長騒動だったというわけでしょう。

そんな意味では、若貴に興味なかった人が、
稀勢の里をきっかけに相撲に興味を持ち出したというのは素晴らしいことです。

きせのんは若貴と違い、相撲セレブではありません。
ごく一般の家庭に生まれた体の大きな子。

相撲部のまれ猫さんやあ@花さんに言わせると、
きせのんは普通の家に相撲の神さまが遣わした”かぐや姫”なんだそうです。
(男性の私からすると、その表現は自分では使えない・・・)。

昔から先代の若ノ花や貴ノ花を見ていた人が、ブランドとして人気が出た力士ではなく、
たまたまテレビで見かけてファンになったとか、そんな人が多いので、
ある意味、相撲好きになってからのファン度は、
あの時代の追っかけとは比較にならないほど見る目が厳しい。

占星術の世界では、満月はこれから欠ける一方なので力がなく、
新月こそはこれから満ちていく力に溢れているそうです。

そんな意味では、稀勢の里も相撲界も今から力が満ちていく時かもしれません。
大阪場所の千秋楽はB席も売り切れだそうで、今後の人気に期待したいところ。

でも人気で券が手に入らないのは困るよな~。

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