大倉集古館『武士の姿 武士の魂』展を見てきました〜前田青邨の『洞窟の頼朝』は必見です!

天皇誕生日の振替休日は晴天の中、大倉集古館『武士の姿 武士の魂』展を見てきました。

数年前のホテルオークラのリニューアルに伴い、大倉集古館もリニューアル。
それからはじめて見に行きましたが、箱が大きくなって見応えが出てきましたね。

展覧会は『合戦図 』と「刀剣』、そして『鷹図』の3つのアイテムが展示されていて、それぞれが興味深いものでした。
その中で目玉ともなる作品は、何と言っても前田青邨の筆による『洞窟の頼朝』でしょう。

▲パンフ下部のこの絵です。

この絵は平氏打倒の蜂起をあげた頼朝が、石橋山の合戦に敗れ、わずかな側近とともに洞窟内に身を潜めるという場面を描いたものです。

この作品は昭和5年(1930)に、ローマで開かれた日本美術展に出品された作品だそうで、同展覧会には横山大観の『夜桜図』も出品されていたといいます。

いや〜、この鎧の描写はすごいですね。
精緻かつ大胆で力強い。

私はこの描写を見て、ハンス・ホルバインが描く絨毯を思いだしたのですが、この絵を発表した8年前の1922年、青邨は欧州に1年間滞在して西洋絵画を吸収しています。

明治時代の洋画とは違った形で、昭和初期の日本画は西洋絵画と吸収していたのですね。素晴らしい!

甲冑は青梅の御嶽神社にある畠山重忠のものを実際にスケッチしたものだとか。

この絵を見るだけでも大倉集古館に足を運ぶ価値がありますが、ほかにも面白い作品が目白押しです。
江戸時代に描かれた虫合戦図屏風などの珍品や、武士が好んだ鷹図はぜひ目にしておきたいものです。

江戸時代の鷹図は五代将軍徳川綱吉の『生類憐みの令』によって、いったん禁止されましたが、八代将軍徳川吉宗の時に復活したそうです。

さすがは暴れん坊将軍・吉宗公!

ご興味のある方はぜひに!

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