血戦小笠原!


小笠原諸島が世界遺産登録、けっこうですな。

しかしながら4年ほど前、20年前に訪れたインドのアジャンター&エローラに行った時、
世界遺産登録前と登録後ではずいぶん変わったなと思ったものでした。
道が舗装され、色々な施設ができて見やすくなった反面、
インド独特の面白さみたいなものはなくなりました。

行った先の施設が充実してないと、世界遺産には登録されないのかもしれませんが、
小笠原諸島の場合、財産が自然ですから、
人が入ればどうしても以前と同じではなくなります。

とはいうものの、島の生活を豊かにするためには観光産業の充実は不可欠ですから、
痛し痒しというところでしょうか。

小笠原といえば、真っ先に思い出すのが、
”ゲゲゲの鬼太郎”の中の「血戦小笠原」です。

ドラキュラを頭目に、世界の吸血妖怪が小笠原に集結し、
鬼太郎を中心にした日本の妖怪と戦うというストーリーで、
私は小学校の夏休み、伊豆に家族旅行する列車の中で少年マガジンを読みながら、
ワクワクした覚えがあります。

(ペナンガラン、アササボンサンといった、
 インドネシア・バリ風の姿をした妖怪は強烈だったな)。

ここで注目したいのが、小笠原が先の大戦の舞台になったことでしょうか。
水木先生は鬼太郎の中で、そんなメタファーを入れていて、
中国から九尾の狐が攻めてくる話や、
ポルトガルの悪魔ベリアルと日本の妖怪が戦う話、
朝鮮半島に鬼太郎がわたって戦う話を書いています。

マスコミの取材などでは、水木先生を愛国すなわち軍国主義といった、
左翼系の反戦家的な取り上げ方をすることがあるのですが、
決してそのようなことはありません。

「総員玉砕せよ」などを読むと、
玉砕という最低の作戦をどうしても実行しようとする上官を淡々と描いてはいるものの、
軍隊そのものを否定しているわけではありません。

だからといって自衛隊のあり方も良いと思ってるわけでないようで、
「日本の自衛隊は、妖怪戦と近代戦には無力です」
なんて失礼なセリフをねずみ男に言わせてます。

若い頃は戦争反対で、そんなセリフを書かせたのだろうなと思ってましたが、
迎撃のみで、攻撃できない軍隊を、水木先生は歯がゆく思われていたのでしょうね。

それにしても暑い日が来ると、擦り込みなのでしょう。
経験したことのない戦争を思い出すというのは不思議なものです。

写真は大菩薩峠にある山小屋。
どうやら「ゲゲゲの女房」に出てくる水木先生の別荘に使われたところのようです。
(写真に私は写っておりません)。

血戦小笠原!” への4件のコメント

  1. Unknown
    画伯おはようございます!私も暑くなると戦争のことを思います。特に8月にはいると…。
    私も完璧刷り込みです。
    習った歌まで出てきます

    ブログと内容が反れますが、花風社さんの新刊「活かそう発達障害脳」をじっくりじっくり読んでます。全ての人に役立つ本だと思います。画伯の挿し絵はわかりやすく面白くて和みます。表紙の脳ミソさん、なるほどそんな風に描かれるのかとすごい納得しました。あの脳ミソが考える姿の像、昔は小学校にありましたね~今もあるのかな…。

  2. ありがとうございます!
    いっちゃん、おはようございます!

    広島の人はそうでしょうね。
    また、そうでないといけないと思います。

    >花風社さんの新刊「活かそう発達障害脳」をじっくりじっくり読んでます。

    良いですね~、ありがとうございます!
    読者優先なので、実はまだ私は実物を手にしてません。
    どんな風になっているかドキドキです。

    >あの脳ミソが考える姿の像、昔は小学校にありましたね~今もあるのかな…。

    むむむ、そうですか?
    ど、どういう意味かよくわかりませんが、
    よろしければ教えてくださいませ。

  3. ブロンズ像
    考える像→ ロダンの「考える人」です。もしかしてそちらの小学校にはあまりなかったのかな…小学校には「二宮金次郎」か「考える人」がありました。
    表紙のポーズで思考してらっしゃいましたよね。

  4. 考える人ですか!
    いっちゃん、おはようございます!

    何だ、ロダンの「考える人」のことですね。
    言うまでもなく、このポーズはそちらをモデルにしています。
    小学校にはありませんでしたが、
    上野の西洋美術館にありましたよ~。

    実際のロダンの彫刻は足を組んでいなかったのですが、
    デザイナーさんの要望で、組んでいた方が考えてる感じが出る、
    ということで書き直した経緯がありました。

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