台南五人旅~大誤算のプレゼンテーション


昨日、台湾五人旅から無事戻りました。
行く前はどうなることかと危惧された旅行でしたが、
義母と実母の姑2人もけっこう仲良くやってくれて、
なごやかに楽しく旅を終えることができました。
ただ、母2人が仲良くやるというのはどういうことかと言えば、
その分、こちらにお鉢がまわってくるということですね。

2日目までは何とかホテルも食事も満足してもらい、順調に旅を続けた3日目のこと。
私たちは台湾新幹線で台南に向いました。
台南は食の都と言われるほど、食べるものの豊富なところ。
ここには「再發號(さいはついごう)」という、創業が清朝という老舗の粽屋さんがあり、
3年前に台南を訪れた際、私はこの肉粽(にくちまき)の旨さに感激した記憶がありました。

台南には11:19に到着します。
昼食には少し早い到着ですが、着いたはじめに孔子廟を見て、
徒歩8分という粽屋さんに行けば最高のタイミングです。

台湾新幹線の物珍しさに母2人も満足。
これは完璧なプレゼンテーション・・・ここまでは、そんな風に私は考えていました。

ところが台風が過ぎ去った直後の台南の暑さは、年配の2人にはやや堪えたようでした。

「アンタ、まだ歩かせるの?」
「あとどのくらいですか、マスオさん?」

うむむむ、イマイチ感触が良くないぞ。
地図ではすぐのハズだし、まだ5分も歩いてないんだけどなあ・・。

南国の照りつける太陽のもと、台南独特の大きなロータリーを渡り、
店を発見して後を振り向くと4人の姿が消えているのにびっくり。
あわてて来た道を戻ると、何とみな銀行に入って涼んでいるではありませんか。
母がガマンできずに、みなを引き連れて入ってしまったようなのです。
うーん、徒歩8分でもタクシーを使うべきだったかなあ。

・・・と、ここまで来て私は、さらに重大なことを忘れているのに気付きました。
「再發號」は19世紀の創業という老舗ですが、
エアコンの設備など望むべくもない、ほとんど屋台同然のお店だったのです。

しかも注文した特製八宝粽は、大人のゲンコツ2つ分以上の大きさ。
彼女たちには多すぎる分量です。
猛暑の中を歩かされた上、エアコンのない屋台に座らされて、
豚肉や貝柱、栗など、重い具材ばかりのもち米チマキ。
それがお年を召した方々にとって美味しく感じるはずはありません。
いや、味は前と変わりませんでしたが・・・あああ、TPOが違いすぎた!
私も美味しく感じないぞ~!

何か期待と違うものが出されたという、重苦しい沈黙。
5人はモゴモゴと巨大なチマキと格闘しましたが、
完食したのは私と弟の2人だけ。

さらにトイレを借りに奥に入ったら、そこは十分にエアコンが効いていました。
店の作りで、ここはエアコンがないぞと思い込んでしまったのですね。
気付いた時は食べ終わっていて、すでに後の祭り。

いやはや、自分ではこの店を善かれと思って連れていったのですが、
そういう時って、人は自分が期待する反応をしてくれないことが多いんだよね~。
これは、まったくもって大誤算のプレゼンテーションでした。

お店の栄誉のために申しあげると、
再發號は写真を見てわかるように一度は食べる価値のある名店です。
しかし、食べ物というのは、ひとつプレゼンテーションを間違えると、
どんな旨いものでも美味しく感じないということですね。

この日は、早々に台南をあとにし、
みなさまには台北で90分のマッサージを楽しんでもらったのでした。

台南五人旅~大誤算のプレゼンテーション” への4件のコメント

  1. Unknown
    お帰りなさい画伯!

    ご一行様が、猛暑の中チマキをもごもご・・・想像して笑ってしまいました。(失礼しました)
    けど、その巨大なチマキ、食べてみたいです

    ところで不穏な空気の中、時期が時期だけに、旅行中影響はなかったですか?

    何はともあれ、ご無事で(?)楽しいご旅行でよかったですね。

  2. 台湾は親日
    いっちゃん、こんにちは!

    巨大チマキ、ホントは旨いんですがね~。
    うちの夫婦と母2人&弟は、食べ物の好みが違うので
    けっこう苦労しました。

    尖閣諸島は旅行に何も関係なしです。
    また台湾は親日的なので、なおさらかな。

    急に涼しくなりましたね。
    いっちゃんも片頭痛は気をつけて~!

  3. Unknown
    マスオ様、

    お帰りなさいませ。お疲れ様でした。特大「ちまき」ですね。竹の皮に包んで心がこもっているる気がします。人件費が安い国はそうですが、台湾も「機械がやるより、人がやる方が安い」のですね。

    この記事を読んで、私の両親を初めて海外(シンガポール)に連れて言った事を思い出しました。シンガポールでは普通の路線バスでマレーシアの国境越えをして、ジョホールバルへ。ジョホールバルのモスクでは散々歩かせたましたが、文句一つ言わずに着いてきました。昔の人ですね。ただ、ホテルでの食事。Buffetなんですがレストランが禁煙で、smokerの父がさっさと食べて部屋に勝手に戻ってしまいました。せっかく久しぶりに家族が一緒になったのに何の会話もありません。まぁ~、それも経験。

    行き先がわからないと「まだ歩くの?」になりますね。地図がわかればいいんですけどね。きっと次回行かれる時には少しずつ旅慣れて来ると思いますよ。

    台湾はたしかに親日ですよね。旅をしていても安心。

  4. 海外家族旅行
    naotさん、おはようございます!

    色々コメントをいつもありがとうございます!
    嬉しいです。

    naotさんはシンガポールのご両親を連れていったのですか。
    まあ、親も年とるとワガママになりますよね。
    ご尊父は食事より喫煙を優先したんですね。
    それもまた昔の人かな。

    うちは父が存命中、1999年に香港シンガポールの家族旅行をしたことがあります。
    国内は子供時代に何度も旅行に行きましたが、
    それが最初で最後の海外家族旅行でした。

    帰国後、親爺は肺気腫で倒れ入院。
    10日昏睡状態で生死の境を彷徨いました。
    それから奇跡的に息を吹き返しましたが、
    あとの10年は入退院の繰り返しでしたね。

    ただ、海外旅行は入院の引きがねになっただけ。
    親との旅行は一度はするべきだと思いました。

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