まずクライアントありき


昨日、一昨日と打ち合わせ続き。
と言っても、儲かってるわけでも何でもなく、すでに決まっている仕事の確認作業ですね。
一昨日はDICの色彩資料についての打ち合わせ。

昨日は山形イタリアンに飾る下絵を見せに、銀座一丁目のサンダンデロに行きました。
山形の風景を絵巻物風に表現した5幅の下絵は、思ったほど注文はつかず一安心。

そこで「庄内の景色は稲の青さを、鮮やかな黄緑で・・・」と、
色の塩梅を説明したところ、
「え? 色を使うんですか」という思いもかけぬ返事。

ウーム。
店の内装に合わせるには、たしかにそれが一番なんですが、
私の頭に、それはなかった。
鮮やかな空に鮮やかな海。稲穂の緑。
それらをどう表現して、どう内装に合わせるか考えていたのですが、
それらはガラガラと崩れ落ちてしまいました。

まあ、考えてみれば先方の言う”内装に合わせる”というのは当たり前の話。
どうしても絵描きというのは、自分のスタイルにこだわるもので、
まあ、これは早めに聞いておいて良かったということでしょう。

キッチン・マ・メゾンの壁画の時でもそうでしたが、
まず顧客のリクエスト、満足度が優先です。
クライアントを満足させてこそプロですから、そこは落とし所を見つけないといけません。

奥田さんとは話をして、ある程度色を入れることにしましたが、
精神的な軌道修正が必要になりました。
作業的な手間は少なくなりますが、クオリティを上げるためには別の努力が必要になります。
今日は比較的暑さもやわらぐ稼ぎ時。
しっかり作業しないとね!

画像は拙作「ペンネンネンネン・ネネムの奇跡」。
タイトルはもちろん宮澤賢治の作品によるもので、
目に見えない妖怪が跋扈する世界を描きました。
ちなみにちゃぶ台をひっくりかえす狐面の男は、あの名作マンガをもとに描いています。

私が描きたいよう好きなように描くと、こんな絵になります。
これを普通の家やお店に飾りたがる人は少ないかな~。
でも、これでいて私はクライアントの注文には忠実です。
(なぜなら、もともとの芸術とは鑑賞者のしもべだからです)。

まずクライアントありき” への5件のコメント

  1. なまけ鮭くん
    絵にお相撲さんもいますね。

    「クライアントありき」。これ、原点ですよね。これを忘れてはいけません。クライアントを忘れて、自分のビジョンだけを押しつけると「エゴ」になります。これからは「エゴ」ではなく「エコ」です(←エコロジー:笑)。

    私達の仕事も「クライアントありき」なのですが、どうも内部の風通しが悪い。サイバーエージェントの藤田さんのbolgを見たら、管理職に「社内会議仕分け」をさせた記事がありました。うちも社内仕分けをしたら無駄な会議がなくなる(笑)。http://ameblo.jp/shibuya/

    「指差しイタリア語」を持ってますよ。小暮さんだったんですね。「なまけ鮭くん」もいい!とっても気に入りました。tatooも粋ですね。

  2. たしかに!
    内装は、お店の雰囲気に色味を合わせる必要がありますね。
    たしかにたしかに。

    できあがったらお食事しに行きたいです。

  3. あっ!鮭→蛙に変える
    鮭じゃなくて「蛙」です(爆)。
    魚に見えました。可愛いですね。

  4. Unknown
    naotさん、おはようございます!

    内部の風通しは、どの組織でも問題になる話ですね。
    聖書の言葉じゃないけど、「右手のやってることを、左手が知らない」みたいな。

    指さしイタリア、お買上げくださいましてありがとうございます。イタリアという人気の国であることもありますが、本数の多いあのシリーズでは、五本の指に入る売り上げと人気だそうです。
    昨年、改訂版が出ましたので、そちらもよろしければ。

    あ、鮭と蛙。たしかに右は同じですね(笑)。

  5. レオナルド・ダ・ヴィンチ
    あ@花さん、おはようございます!

    そうなんですよ。今、不遜にもレオナルド・ダ・ヴィンチの絵をイメージしてるんですが、ああいう風にいくわけもなし。
    でも名画にしたいとは思っています。

    出来上がったら、一緒に行きましょう♪

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