優等生ばかりのお相撲が見たいですか?


昨日、NHKで放映した相撲賭博の特殊番組・・・
鶴瓶を引っ込めてオンエアしたけど、ものすごくつまらなかったなあ。

こんなことを言ってはいけないのはわかってますが、
だいたいヤクザにチケット売っちゃいけないと言って、
誰がヤクザか見極めて制限するなんて、あの人たちにできるもんかね。
ただでさえ、最近の経済ヤクザは堅気と見分けにくいっていうのにさ。
(たぶん、最初からヤクザとわかって券を売ったのでしょうけど)。

赤坂にもヤクザはいっぱいいますけど、
どこの事務所もコピーやパソコンのリースをしてるわけで、
リース会社にそんなことまで制限ができるはずもありません。
車にしたって、ロールスロイス以外はどの販売店もヤクザとわかって、
高級車を販売するわけだしね。

犯人を見つける方向、罰する方向にばかり血道をあげ、
肝心の相撲を面白くするとか、力士を強くする話には少しも動いていません。
力士の尻子玉抜いて、弱くさせたいかね、キミたちと言いたくなります。

なんか五代将軍・綱吉の時代、生類憐れみの令を敷いた時、
それを守らぬ人間を厳罰で処したみたい。
(最近は綱吉について見直そうという異説もあるそうですが)。
その様子を藤沢周平は「市塵(しじん)」の中で、
”罰することのみに関心が行き、市井の人々のことはおざなりなった”
といった意味のことを述べています。

個人的な意見ですが、
相撲界のモラルアップだとか、力士に対する常識の植えつけだとか、
そんなことをしても力士は少しも強くならない。
だけど、それがいらないかと言えば、そんなことはなく、
もともと武道というのは人殺しの道具なわけで、
だからこそ礼法があり、人としての道を教えるわけです。

柔道ははじめに嘉納治五郎先生が、
体育・哲学・死合いという要素を説いたおかげで、その思想が生きているし、
おそらくは剣道なども同様でしょう。

相撲の場合、私はよくはわからないのですが、
最初に道ありきではなく、江戸時代が見せ物として興業として生まれた歴史がある。
だからこそ、千代の富士や朝青龍のような、
ある意味ヤクザっぽい殺気だった力士が強くて面白いという事実があるのでしょう。
(彼らの取組は、ヤクザがドスで人を刺し殺す恐ろしさがあるもんね)。

一方で、本当の大横綱と呼ばれる人は、双葉山、大鵬、貴乃花のような力士なわけで。

でもヤクザとの付合いはいけませんが、優等生ばかりのお相撲が見たいですか?
というのが私の本音です。
エカキだって、フランドルの外務大臣まで努めたリューベンスより、
人殺しでお尋ね者になり、36歳でマラリアで死んだカラヴァッジョや、
自分の耳を切りとって拳銃自殺したゴッホの方が人気ですしね。
(あ、誤解しないでほしいのですが、私が尊敬しているのはリューベンスの方です)。

写真はようやくキャンバスまで貼れた5枚のパネル。
絵巻物風の風景画になりますが、あとは完成してからのお楽しみです。

それにしても相撲中継はやるのかな。
普段、見ない人に限って「中止しろ」なんて言うからね。

優等生ばかりのお相撲が見たいですか?” への4件のコメント

  1. こんにちは
    先日のオフ会ではありがとうございました。

    マスオさんのブログ、楽しく拝見しております。

    私は朝青龍が好きだったので、彼亡き後は相撲にあまり興味が持てなくなってしまいました。
    マジメで品行方正でも弱っちい力士より、多少問題有りでも強い人の方に惹かれます。

    ちなみに、カラヴァッジョ大好きです。
    ルーベンスも好きですが、ブリューゲル、ボッシュがお気に入りです♪

  2. ランチに
    こんにちは、トランさん。

    まあ、問題もほどほどでしょうが、あまり格闘家が優等生ばかりというのものね。
    ちなみにアントニオ猪木はメチャメチャな人だそうで、借金踏み倒し魔と聞きました。評判はわるいですね~。

    ところで、アセナさん。今週か来週にはランチに伺います。ホントは今日のスズキ、食べたかったんだけどね。
    評判はいろいろ見てますよ。期待してま~す♪

  3. Unknown
    見世物ではあるけど神事の部分もあって
    もちろん格闘技としての面白さもある。

    こういう多面体な相撲を、公益法人という括りで
    考えてることの限界が来たって気がします。

    優等生ばかりじゃつまらないけど
    じゃあ新弟子集めるにあたって
    昔と違って「口減らし」ではないのだから
    親としては「強い力士」にはなって欲しいだろうけど
    裏社会と親密になる可能性があるなら
    その恵まれた体格を生かす競技はその他にも多くある、ということで
    プロのなり手を捜すのにも弊害が出てくるんでしょうね。

    さきほどフジテレビ見てましたら、このニュースは英米でも大きく報じられてて
    とある新聞の取材である力士が
    「昔からヤクザトの付き合いはあったが
    金に困って脅してくることはなかった」と答えてたのが印象的でした。

    むしろ裏社会の方が、角界との付き合いにおいて
    超えてはならない一線を越えたのが全ての問題の出発点だったのかなあ、と思いました。
    これもまた不況でカネが廻らなくなったから…
    という結論みたいです。

    面白い視点だと思いました。

  4. 今場所は
    かなこさん、おはようございます!

    なるほど、
    「昔からヤクザとの付き合いはあったが
     金に困って脅してくることはなかった」
    ですか。
    なんかいちばん納得する話ですね。

    最近はなにごとも一線を超えることが多くなってきました。
    仁侠の世界もシビアになってきたということでしょうか。

    それにしても大相撲放送中止は残念。
    リアルタイムで見る(聞く)のが自営業の特権でしたけど、
    今場所は楽しめそうにありませんな。

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