昨日は日本橋の三越劇場に友だちが出演するというので、初めて行きました。
昭和2年に建てられたという、私の父と銀座線と同い年の格調高いシアターですが、きれいにリニューアルされていて何とも豪華な雰囲気です♪
主演は元宝塚の男役・汐美真帆さんで、演目の名は「THE BITCH」。
三越で演じるタイトルかと思いましたが、 はたして幕を開けて劇を見てびっくり。
元宝塚が演じるのだから、タイトルがいくらBITCHでも、マイ・フェア・レディみたいな芝居だろうと思ってましたが、かなり前衛的なアングラ系(とまではいかないか??)のお芝居でした。
そもそも主人公びっちが何度も生まれ変わるという前提。
まあ、手塚治虫の「火の鳥」からあるテーマなので、特に奇抜ではありませんが、いきなりそこからはじまるとびっくりします。
何度生まれ変わっても不幸な人生しか歩めない”びっち”は、時にアリやチューリップに生まれ変わり、そこでも不幸な人生(人じゃないけど)を送り、何度も自殺をはかるのですが、そのうち自分からは死を選ばなくなるという内容です。
簡単にアリやチューリップになれるのは、芝居の空間ならではの離れ業でしたが、かなり楽しむことができました。
一見、難解なようですが、かなり構造的にしっかりした脚本でした。
何度も死んでは転生する中で、前後の話の謎だった部分が明らかになっていくところは、一種のミステリー仕立てにも見えました。
ちょっと三島由紀夫の「近代能楽集」を思わせるとこも。
聞けば、シナリオは40代くらいの女性だそうで、 元は下北沢の芝居小屋でやってたものを洗練させたとか。言われてみれば”びっち”なんてタイトルは、逆に男性ではつけられませんものね(笑)。
友だちの芸名は、佐和山あやさん。出番は失礼ながら思ったよりはるかに多く、ほとんど出ずっぱりで出るたび役もコスチュームも違います。いや、こりゃ大変。
会うとわりとおとなしそうに見える人ですが、舞台では声もよく通り、芝居も良かったです。ともかくもよく頑張りました。
世間はオリンピックですが、頑張った人にはみな拍手です♪