エスキモーと障害者支援


え? 
エスキモーというのは差別用語、今はイヌイットと呼ばなければいけない・・・ですか?

いえいえ、それは存じております。
ジプシーも差別用語で、今はロマ民族と呼ばなければいけないそうですが、
そんな言葉尻の話より、ここではもっと別の問題を申しあげましょう。

昨日は、築地にある水産会社に招かれてキングサーモンを食べに行きました。
大きすぎて、切り身にするとスーパーでは売れないけど、味は極上のキングサーモンです。
(売ろうとしないスーパーのバイヤーもダメだと思いますが)。

この水産会社は、数人のスタッフで世界中の水産物を買い付けして、
日本を含む、世界各国のバイヤーに売ると言う商売をしています。

その中でベテランのバイヤーが、アラスカで特別に買い付けたキングサーモンが、
写真のそれだというわけです。
いや、プロのバイヤーでも滅多にお目にかかれない極上の品だけあって、そのお味たるや絶品!

しかしながらそのベテランバイヤー、Yさん曰く。

「エスキモーがまったく働かないんだよねー。
(年配の方なのでイヌイットとは言いません。以下、文脈によってエスキモーと呼びます)。
 アメリカ政府から援助金もらっていて、食うに困らないから労働意欲がないんだよ」

同じモンゴロイドとして、エスキモーの労働力には期待していたそうですが、
Yさんの話では、米国政府の飼い殺し政策によって、
すっかり骨抜きにされてしまった彼らに、大きな失望を抱いていました。

それ以前にもエスキモーに関しては、別の問題を聞いたことがあります。

アルコール文化の無かった彼らが、お酒の味を覚えたことで起こるアルコール中毒、
さらには極寒の地で起こる、アルコールによる凍死は大きな問題でした。

また、生肉を調理して食べることから生じるビタミン不足から(極寒地域なので野菜がない)
起こる壊血病は、これまた大きな問題でありました。

現在はイヌイット居住区はアルコールは全面禁止。
壊血病に関しても、流通の関係で食事は改善されたものの、
新たに流入した食文化、ハンバーガーやコーラによる肥満が著しい問題とのことでした。

そりゃ、トナカイの生肉食べるよりは、ハンバーガーやコーラの方が旨いでしょうが、
これも一種の文化侵略みたいなものですね。
セスナで運ぶコーラの量は、全部下ろすと機体が浮き上がる量だそうです。

アメリカ政府は、エスキモー各々の部族の党首に援助金を与え、分配させます。
分配方法は党首に任されているので、党首が政府に不満を言うことはありません。

こうして、食うに困らなくなったエスキモーの労働意欲低下は、
今後、彼らの将来が危惧されるほど深刻なものなようです。

うーん。
どこかで聞いたような話だと思ったら、あ@花さんのブログに出てくる、
障害者を働かせまいとしている人たちの話に似てますな。

障害者はかわいそうな存在で、守られるべき存在なので、仕事などさせるのはとんでもないという理屈ですが、
これは、働かずしても援助金をもらえるエスキモーの奇妙な特権は、これと近いものがあるように思えます。

彼らイヌイットは主に漁業権を持つことによって食べているそうですが、
魚が採れなくなったりしたら、どうするのでしょうか?

三国志でも、若い頃から苦労を重ね、快楽の味を知らなかった劉備玄徳を、
酒と女人づけでダメにしようと、策謀をめぐらす話がでてきますが、
こうした飼い殺し的特権を与えることは、人間をダメにするいちばん効率的な方法ですね。

労働による喜びほど、人に生きる希望と勇気を与えるものはありません。
それを取り上げてしまうことは、人を滅ぼすいちばんの近道に思えます。

エスキモーと障害者支援” への4件のコメント

  1. 他人ごと
    全国民、地球人に発せられているメッセージなのでは?
    Web世界だけで食料が調達できる、
    と信じている人々が...。

  2. エスキモーと同じで
    弱者を弱者のままにしておいたほうが都合のいい人がいるんですね。

  3. お手数ですが
    お頭さん、おはようございます!

    うーん。
    失礼ながら、主語がないためか、コメントの意味がよくわかりません。
    (本文と食糧調達の話は、あまり関係がないように思うので)。

    補足していただくとありがたいので、
    なにとぞよろしくお願いいたします。

    スミマセン、お手数おかけします。

  4. 特権階級
    あ@花さん、おはようございます!

    そうですね。

    そしていつもおっしゃってるように、ある意味の特権階級の維持という意味で。

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