昨日は高校時代からの柔道仲間と久しぶりにサシで痛飲しました。
豊昇龍の横綱はまだまだだろうとか、人生はあっという間だな、なんてガード下のオヤジ話をいっぱいしたのですが、その中で印象に残ったがピカソとベラスケスの話です。
彼は昨年、プライベートでスペインのバルセロナに行ってきたのですが、その中で見たピカソ美術館で、ベラスケスのラス・メニーナスのオマージュ作品を58枚も描いてるのを見てびっくりしたそうです。
57歳を過ぎてからピカソはラス・メニーナスのバリエーションを描き始めたのですが、彼の目にはピカソはベラスケスに嫉妬してこの連作を描いたように見えたそうです。
通常はベラスケスに対してリスペクトした作品と考えられていますが、その異様な数はベラスケスに対するピカソの執着、嫉妬に見えたというのです。ふーむ。
私も若い頃、ピカソ美術館でこの連作を見たことはあるけど、若かったせいか、まったくそんなことは考えもしませんでしたが、ピカソの性格上、それはあったかもね。
言うては何ですが、ピカソは人間性に問題があったことでも有名なアーチスト。愛人二人にケンカさせて自分を選ばせたほどの人ですからね。
ベラスケスはピカソの時代からも300年ほど前に活躍していた人です。
今の時代で言えば、現代の画家が葛飾北斎に嫉妬するみたいな話ですから、そんな昔の人に嫉妬なんかするのか?…と思いますが、ピカソの性格だったら、それはあるかもね。
スペインの画家ですが、ベラスケスは温厚な性格で知られ、ピカソは問題な性格で知られています。
どちらも天才ですが、ベラスケスの最高傑作『ラス・メニーナス』は何者も近づけぬ境地に達しており、ピカソだからこそ、それが余計にわかっていたのでしょう。
今となっては嫉妬か、そうでないかはわかりませんが、あの作品群が執着して描いたことは明らかでしょう。