伊藤彦造は妻が20代の時に夢中になった人で、昨日たまたま開催してあることを知り、急遽見に行くことになりました。
弥生美術館に行くのは初めて。伊藤彦造は画集では知ってはいましたが、本物を見るのは二人とも初めてです。
いや、見てびっくり。凄いわ!
原画は意外と小さくて、印刷が原画を引き伸ばしているのにもびっくり!
伊藤彦造は大正から昭和にかけて活躍した挿絵画家で、細密なペン画で知られた作家です。その卓越した技術と迫力にはただただ圧倒。
この伊藤彦造…戦国時代から江戸初期にかけて活躍した剣豪、伊藤一刀斉の末裔として生まれ、自らも剣の師範だったというから筋金入りです。
▼足運びといい、構えといい、武道を知らないと描けない絵ですね。

▼こちら、あの黒澤明の『蜘蛛糸城』の三船や山田五十鈴を思わせますね!

時代的に見ても、黒澤明が伊藤彦造の影響を受けていたことも考えられます。
中でも圧巻だったのが、昭和18年に描いたという『アッツ島の山崎部隊長』という屏風絵です。

この屏風絵は昭和18年、西暦1943年に未完で擱筆されています。
彦造は2004年に百歳で世を去っていますから、これ以上描けなかったのですね。
なんでも”見えた”人だったそうですから、耐えられなかったのでしょう。
武道の達人も戦死した人たちには抗えなかったのかもしれません。
戦後は「戦争画を描いた」ということで戦犯扱いされそうになり、積極的に西洋文明を取り入れた絵を描いたり、外国人のようなペンネームで仕事を受けたりもしていたようです。

妻はアッツ島の絵は見ていられなかったと言っていましたが、わかる気もいたします。
『伊藤彦造展』は12月21日まで。
一見の価値ある展覧会です。














