六本木ヒルズ・シティビュー『火の鳥』展、行ってきました!〜まさに手塚治虫はレオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する天才でした。

昨日、六本木ヒルズのシティビューで開催中の『火の鳥』展、行ってきました。

いや、一言で言うと『すごい、すごすぎる!」でしょうか。

『火の鳥』といえば、あの手塚治虫先生のライフワークであり、残念ながら未完に終わった、マンガの世界のみならず、あらゆるアートの金字塔です。

森ビル52階のシティービューは、東京全体を見渡せる圧巻の立地。

「火の鳥」のディスプレイが、所狭しとエンタランスいっぱいに散りばめられていて、いやが上にも期待が高まります。

さて、本会場の展示を見て驚いたのが、すべて原画が公開されていたことです。

こ…これが火の鳥の原画か…!
「未来編」「ヤマト編」「宇宙編」「鳳凰編」「望郷編」「羽衣編」「復活編」「太陽編」など…全部で12篇もの火の鳥に、ただただ圧倒されてしまいまいした。

最初は絵画を見るように眺めていたのですが、一枚一枚、原画を読みはじめてしまいまいした。

私にとって、一番読み親しんだのは「鳳凰編」ですが、それ以外の作品も一通り読んでいて、その場面をそれぞれ確認するように読んでしまいました。

「火の鳥」は、いわば長編オムニバスという形式で描かれていて、時代劇的な過去と、SF的な未来がそれぞれ交互に語られる形式で旺盛されています。

最初は古墳時代からはじまり、次は35世紀ほどの遠い未来が語られます。
それが飛鳥時代や奈良時代、30世紀、25世紀と、徐々に現代に近づいていき、最後は現代社会で完結するという構想だったそうです。
残念ながら手塚先生は1989年に逝去され、「火の鳥」は未完の大作となってしまいました。

俗に手塚ワールドと呼ばれますが、一同に介した原画を見ると、その壮大さにただただ驚くばかり。

宇宙の創生から生命の誕生と進化。
人類の誕生と進化。人間社会の愛憎や葛藤。
宇宙のあらゆる構成要素が、展示されている原画に詰め込まれていて、頭がクラクラしてきそうでした。

たっぷり3時間は「火の鳥」の世界に浸かっていたでしょうか。

まさに手塚治虫は100年に一度どころか、歴史上、類を見ない天才です。
息子である手塚眞氏の言葉を借りれば、「レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する天才」ですが、この展覧会を見て、それを実感いたしました。

さて、注目したいのが火の鳥の性格のわるさです。

「茜丸、もうあなたは人間に生まれることはないのです。死んだあとは、ゴミのような小さな生き物に。そのあとはカメに…」

いやいや、いくらなんでもそれはないだろうという、邪悪なセリフの数々。
そうかと思えば、思わず涙を誘う場面があったり…。

同じ作品の中に神と悪魔が同居する、ドストエフスキー的性格も手塚作品の魅力ですね。

『火の鳥』展は、今月25日(日)まで。
日程の合う方は、ぜひ足をお運びくださいませ。


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