昨日は酷暑の中、縄文展を見て参りました。
いや、凄い、すごい、楽しいの一言!
暑い中、なんでわざわざ見に行ったかというと、ツイッターの公式ページで「並ばず入れます」と書いてあったです。あんまり暑いと人が町に出ないようで、上野の町も人出があるようで、普段の日曜日に比べて少なめ。
「縄文 JOMON」展、会場に行ってみると確かに普通の混雑で、比較的余裕で見ることができました。
最近の研究で、縄文時代というのは豊かな時代だったということが明らかになってきたようで、私が子供の頃にあったような「縄文=はじめ人間ギャートルズ」みたいな(若い人は知らないか)イメージは、次第に払拭されてきたようです。
“縄文”といえば、その名の由来になった力強い土器の数々、そして土偶を思い浮かべますが、先ず最初の展示室に入って驚いたのが、意外に繊細な土器や装飾品が多いということです。
骨で作った釣り針や、石を磨いて作った斧などは、この時代に高度な文明や地域社会があったことを示すもの。
耳たぶに穴を大きく広げたイヤリングなどは、この時代の高い身分にあった人がつけていたものでしょう。数千年を過ぎた今でも輝きを失わずにいるものも多く、その当時に見たら、さぞや美しかったことでしょう。
とはいうものの、やはり縄文といえば土偶と土器ですよね!▲やっぱり白眉は国宝6件が勢ぞろいしていたことかな。
俗に国宝、重要文化財なんて言いますが、やはり国宝というの権威とかそんなことではなく、歴史的にも美術的にも別格なものが選ばれます。
右から、縄文の女神、中空土偶、縄文のビーナス、仮面の女神、合掌土偶、火焔型土器とありますが、私が好きなのは右から2番目の中空土偶。
なんでもこの中空土偶。北海道に出張に行った友だちに聞いたところ、函館の道の駅に置いてあるらしく、その点も珍しいところ。友だちは楽しみにして見に行ったところ、中空土偶は上野に出張中で見られなかったと残念がっておりました。
まあ、展覧会に行ってくださいってカンジかな(笑)。
コーヒー豆のような愛嬌のある目鼻をつけた中空土偶、男性女性、両方にも見える性器をつけていますが、おそらくは両方なのでしょう。
人の形に似てはいますが、おそらくは神さまとか精霊の姿を象ったものだと思います。▲えっへんと威張っているような「遮光型土器」(真ん中の”まだまだある 縄文の美”)も本展には満載。
これって、どう見ても生きてる人間を模したものじゃありませんよね。
宇宙人説が出てくるのも不思議ではありませんが、わたしは宇宙人でなく精霊をもしもの、もしくは胎児などを象ったものでないかと思います。
それにしても1万年、数千年の時を超えて、土偶から「どうだ」とか「えっへん」「よっこいしょ」などといった声が聞こえてきそうなのが不思議だし、それが実に楽しく素晴らしい♪
「これ、この土偶……誰か見たことある人に似てるんだよね」
「あれでしょ、女酒場放浪記に出てくるハーモニカ奏者!」
「そうそう、ハーモニカ奏者! 名前、何て言ったっけ?」
なんて調子に、見たことある人の顔も勢ぞろいです。
かの岡本太郎画伯の原点も間違いなく縄文ですね。
あの時代に縄文に傾倒していた文化人は少なからずいたようで、そのコレクションも見どころでした。
私の個人的な好みで言うと「この日の一点」 は、最後の展示室に飾られていた、かの益子焼の陶芸家・濱田庄司所蔵だったという土偶でした。
まるで、学校の先生のつまらない話に退屈した子供が「早く終わんないかな〜」と、だらしなく塩垂れてるような姿は、とても他人に思えませんでした。
これから縄文展に行かれる方はぜひご注目を。
ところで縄文展に関係ありませんが、帰り道の上野公園。正岡子規の野球場で、長袖のユニフォームを着て練習に励んでる子供たちがいましたが、あんなことさせて良いのかね。
日なたではたんぱく質が凝固するレベルの熱さの中で、体動かして野球がうまくなるのかね。危険なだけじゃないのと、指導者の良識を疑った次第です。
上野広小路近くのABABの前では、救急車に搬送される若い女の子がいて、今年の猛暑の凄まじさを実感しました。
まあいいや。
猛暑の中の「縄文 JOMON」展、意外にすいていて狙い目です。
暑さ対策を充分にしてお出かけすることをオススメいたします。