アーティゾン美術館『ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ』展、
見に行きました〜劇的な人生を送った人たちなのに作品は軽やか
アーティゾン美術館で『アルプ展』と併設されていたのが、この『硲伊之助展』でした。
私は不調法ながら、硲伊之助(1895〜1977)を知らなかったのですが、二科展などで活躍した画家だったようです。
最初の方に展示されていた油彩は、いかにも日本画壇の重鎮という感じだったので、さっと見て済まそうと思っていたのですが、実際に見るとなかなか面白い!
油彩は臨場感があって、渡仏していたフランスの空気がそのまま伝わってくる感じ。人物画もモデルの人となりを丁寧に描いていて、素直な方だったのかもしれません。▲誰やったか? 硲画白が大好きだった女性の絵ですね。
早く世を去ったのが気の毒。
まるで黒澤明監督の 『野良犬』を思わせる、昭和はじめの空気感がなんとも楽しい。
東京は本所の裕福な商家に生まれたらしく、絵描きにしては珍しく食うに困ったことのない人だったようです。
下町生まれ、下町育ちをうかがわせるのがこの一枚。
いやいや、なんとも良い雰囲気ですね〜。
私はおフランスより、こっちが好き!
裕福だった分、コレクターとして、また展覧会のプロデューサーとして活躍した方だったそうです。師でもあったマティスの日本初展覧会を企画したのも、この人でした。
晩年は九谷焼き作品をいっぱい作っており、そちらも楽しかったです。