素晴らしかった「ヒルマ・アフ・クリント展」〜見るほどにゆったりとした気持ちになり、脳がほぐれていく絵です(あくまで私見)!

昨日は竹橋の近代美術館で開催中の「ヒルマ・アフ・クリント展」に行ってきました。いや、素晴らしい展覧会でした!

実物を見る前と、見た後でこんなに印象が違う画家も珍しいですね。

ポスターを見た時は、アフリカ諸国のフォークアートかなと思っていたのですが、いざ会場に足を運んで作品を見てみると…あれれれ?
何とスウェーデン出身の画家ではありませんか!

しかも、あのルドルフ・シュタイナーと交流していたという、神秘主義のアーチストだったことに驚きました。

以下はサイトの紹介文から。
私はこれを読んで展覧会に行こうと思ったのですが、ちゃんとスウェーデン出身と表記されていますね(笑)。

1906年、スウェーデン。
カンディンスキーやモンドリアンより早く 抽象絵画を描いた、1人の画家がいた――  その名は、ヒルマ・アフ・クリント(1862-1944)。
21世紀の現代に、死後70年を経てついに世界に発見された 彼女の作品は米ニューヨークのグッゲンハイムで大きな評判を呼び、英ロンドンのテート・モダンなど世界各国の名だたる美術館が競い合うように展覧会を開催。

なるほど、このコピーライトからでは印象が違うわけだ。

私見で言うと、この人の作品はカンディンスキーやモンドリアンのようなほぼ完璧な抽象画ではありません。ヒルマ・アフ・クリントは見えない世界を可視化しようとした、具象、あるいは半具象のアーチストではないでしょうか。
▲「神殿のための絵画」。高さが3メートルある巨大な10点の絵画シリーズです。

ヒルマ・アフ・クリントは1862年生まれで、没年は1944年。
19世紀末から20世紀初頭を生きた人ですね。

父親のヴィクトルは海軍士官という裕福な家庭で、ヒルマは天文学、航海術、数学などに親しみながら育ったそうです。

この時代、物理学的発見が相次ぎ、電球や自動車や電話などの発明品が次々に生まれてきました。

科学が発達すると、神秘的なものや霊的なものが否定されそうなものですが、実はそうでもありません。

近年の科学で発見されたものには目に見えないものが少なくありません。
バクテリアやウイルスなどの生物、半生物。
電磁波、原子、分子、はてまたはクオークなどの素粒子。
重力波のように、確実に存在しているのに、目には見えないものはこの世に数多く存在しているのです。

ヒルマ・アフ・クリントが大きく影響を受けたという、ルドルフ・シュタイナーも科学的な側面を知りながら、霊的なもの、神秘的なものを提唱した人です。
俗な言い方をすればスピリチュアル系の開祖の一人と言えましょうか。

さて、シュタイナーやヒルマ・アフ・クリントが提唱していた「霊的存在」や「神秘的な存在」というものが本当にあるのかどうかは、ひとまず置いておきましょう

ともかくもヒルマ・アフ・クリントの作品はたしかに別の世界との窓や扉となっていることは確かです。

展覧会の白眉は何と行っても大きな一室に飾られている「神殿のための絵画」10点でしょう。高さが3メートルある巨大な絵画シリーズで、幼年期から老年期までを描いたシリーズですが、この部屋に限って部屋の四面に椅子があって、座ったまま大きな絵を見ることができます。

これから展覧会を見に行かれる方がいましたら、この部屋の椅子に座ってじっくり絵を見ることをオススメします。

不思議なことに絵を見るほどに(これまた私見ですが)、ゆったりとした気持ちになり、脳がほぐれていくような感覚をおぼえました。

「癒し」というと、あまりに使い古された言葉ですが、ほかに言いようのない感覚だと言えましょう。

展覧会ははじまったばかりで、6月15日まで開催されていますが、これからの混雑は必至だと思います。ぜひ、今のうちにご覧くださいませ!
 

 

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